
2026.09.03
【熊本の女性起業家インタビュー】植村真穂さん
地域の“命“をペットの健康へ ジビエペットフード「Mother Earth」が描く循環の形
― 山都町から発信する、人・自然・動物をつなぐ起業ストーリー ―
熊本県山都町を拠点に、ジビエ(野生鳥獣肉)を使った無添加ペットフードの製造・販売を手がける植村真穂さん。自給自足ができる場所を探していた2017年、地域おこし協力隊の募集(ジビエ工房やまと)を見つけたことが、山都町との出会いでした。
現在は「Mother Earth(マザーアース)」代表として、狩猟免許(第一種・罠)を取得しながら、地域課題の解決とペットの健康という、一見遠く見える二つのテーマをひとつの事業でつなげています。

起業のきっかけ──「無駄にしてはいけない」という気持ちから
子どものころから動物が大好きで、大学では動物科学を専攻した植村さん。山都町への移住を機に、地域おこし協力隊として「ジビエ工房やまと」(野生鳥獣肉処理施設)に携わります。
そこで目の当たりにしたのは、獣害対策として捕獲された野生動物の多くが、有効活用されないまま廃棄されているという現実でした。
「地域の課題を解決しながら、ペットにも喜ばれる商品を作れないだろうか?」
その問いが、すべての出発点でした。

商品へのこだわり──”素材の命“を丸ごと届ける
Mother Earthのペットフード・おやつは、保存料・着色料を一切使用しない無添加仕上げ。素材本来の栄養とおいしさを大切にした製品は、愛犬・愛猫を家族の一員として大切にする飼い主さんから支持を集めています。
特に鹿肉は高たんぱく・低脂肪で、健康を意識するペットオーナーからの注目が高まっています。
「地域の命を無駄にしない」というストーリーごと届けたい──その想いが、商品ひとつひとつに込められています。


壁を越えてきた日々
初めての起業、初めての経験ばかり。最初はなかなか売れない時期もあり、不安を抱えながら手探りで進んできたと言います。
「続けているうちに、売上も少しずつ増えてきました。地域の方々や、応援してくださるお客様との出会いが、大きな支えになっています。」
孤独になりがちな起業の道のりを、地域とのつながりが支えてくれた──その経験は、植村さんの事業の根底に流れる「循環」の思想ともつながっています。
喜びの瞬間
「うちの子が喜んで食べてくれた」「安心して与えられる」──お客様からそんな言葉をもらうたびに、起業してよかったと実感します。
また、昨年(2025年)には山都町SDGsアワード特別賞を受賞。地域資源の活用という取り組みが社会的に評価されたことも、大きな励みになっています。
これから挑戦したいこと
次のステージとして植村さんが見据えるのは、「人・自然・地域がつながる拠点づくり」です。購入した古民家を活かしてゲストハウスのような場を生み出す構想も、すでに動き始めています。ジビエペットフードの製造販売を続けながら、持続可能なまちづくりにも貢献できる事業を、山都町から広げていく計画です。

これから一歩を踏み出そうとしている方へ
「起業は不安なこともたくさんあります。でも、最初から完璧である必要はありません。小さな一歩でも行動を続けることで、応援してくれる人や新しい可能性との出会いが生まれます。『やってみたい』という気持ちを大切に、ぜひ一歩踏み出してみてください。その経験は、きっと自分らしい未来につながると思います。
まとめ|「地域課題の解決」「ペットの健康」「循環型の暮らし」
植村真穂さんが山都町から発信する事業は、三つのテーマが静かに重なり合っています。動物を愛し、土地を愛し、自然の循環を大切にしながら着実に歩みを続ける植村さんの姿は、これから起業を目指す人たちにとって、確かな道しるべとなるはずです。 (YUKIKO FUJII)

Mother Earth(マザーアース)
代表:植村真穂
所在地:〒861-3915 熊本県上益城郡山都町塩出迫925
電話番号: 070-1068-2212
HP:https://www.instagram.com/mother_earth_dog/